インターネット&ハッカー

ハッカーとは・・・?

 最近のマスコミでは、セキュリティを破ってサーバーや端末に侵入する行為をとらえて「ハック」と呼ぶために、ハッカーという言葉はとにかく悪い印象を与えがちです。しかし本来、ハッカーとは熟練プログラマーやエンジニアを指す言葉であり、そこにはまったく悪意は込められておらず、むしろ尊敬の意を表する言葉でした。
 ハック・ハッカーという言葉が生まれたのは、コンピューター夜明け時代のマサチューセッツ工科大学であるといわれています。英語のHackには、「ジャングルを切り開いて突き進む」という意味があります。すなわち、ハックとは独力で道を切り開いていくことを意味し、一流のアートやエンジニアリングに対する深い探求心を意味しているのです。
 このハックという言葉は、いまでもマサチューセッツ工科大学の伝統となっており、過去の素晴らしいハッカー達の功績と栄誉が讃えられています。マサチューセッツ工科大学ではこれをギャラリーにしており、http://hacks.mit.edu/からアクセスすることが出来ます。
 この正統的なハックに対して、コンピュータに侵入するなどの行為を行う人間のことをクラッカー(cracker)と呼んでいます。またその行為の内容によって、クラッカー(kracker)、イントルーダー、フリーカーなどとさらに細かく区別されることもあります。これらの言葉はマスコミに登場する機会も少なく、アンダーグラウンドな世界でのみ通用するスラングとなっています。
 冒頭で触れたように、最近ではマスコミなどの影響によって、ハッカー=クラッカーというイメージが浸透しつつあります。しかも、これは日本だけの話ではなく、欧米などでもその傾向は高まってきており、これらの区別は非常にあいまいになってきています。しかしUNIXの世界に関していえば、ハッカーは依然として優れたスキルをもった人間に対する尊敬を意味する言葉として通用していますので、勘違いをして恥をかかないようにしてください。
 ちなみにハッカーにもランクがあり、伝統的なハッカーになるとwizard(魔術師/天才的な人間の敬称)などと呼ばれるようになります。また、LinuxやUNIXの等の開発者の中には、demigod(半神/神に近い存在)と呼ばれる人もいます。

(*これから先に登場するハッカーとは、一般の方に考慮して「悪いハッカー=クラッカー」という意味で使います。)


最近、ハッカーの話題が目立ちますが、インターネットとハッカーの状況について少し考えてみます。

ハッカーと呼ばれる人たちは基本的に技術力がかなり高い人たちです。
技術力の高い人たちは普段、ネットワークの管理者であったり、プログラマーであったり、個々で努力をされている方々です。

そんな彼らが他人のコンピューターに不正侵入した時などに「ハッカー」と変わるわけです。

現在インターネットで、カードなどの個人情報や、コンピューターシステムのセキュリティなどが問題になっていますが、
問題になるのは「必然」で基本的に自己防衛しなければなりません。

なぜ必然か・・・? 

インターネットはすべてのユーザーに対して、非常にオープンで扱いやすくするという方向に進んでいます。
つまり、誰もが扱いやすい環境作るということはイコール、セキュリティなどが不安になるということです。


別の視点から・・・テレビとの比較

テレビの場合、見たい番組をチャンネルの選択によって、一方的に飛び回っている電波を受信するだけですが、
インターネットの場合は、自らが情報の発信源(各サイト)に足を踏み入れることで、情報を得ることになります。
その為には、プロバイダーを経由し、自分の情報を相手に送る作業が必要で実際にそれを行っているわけですが、
メールはもちろんホームページを見る時にも、相手に自分の情報は必ず送られています。
(例:使用している、プロバイダー、ブラウザ、OS等の情報)

別の視点から・・・自動車社会と比較

高いレベルの技術者は、たとえばプロのレーサーです。
サーキットや、オフロードを思いのままにマシンを操り、ライバルとしのぎを削っています。
そこにパソコンの初心者、つまり若葉マークや、仮免のドライバーが入って来て、
同じ場所を走っているとしたら、危なくて仕方ありません。

車の事故のように、実際にぶつけて怪我をするということはありませんが、
自動車社会のように、走る場所(公道やサーキット)の区別や、
ルール(道路交通法やレギュレーション)が整備されているわけではないのですから。
もしかしたら初心者は、彼らレーサーにとっては目障りな存在であるかもしれませんし、
格好の餌食であるかもしれません・・・。


当然ですが技術者が全部悪い人ではありません。

初心者に快く指導をし、疑問に答え、導いてくれる人もたくさんいます。
悪い人はごく一部でしょう。しかし、どんな世界でもそうですが、
そのごく一部の悪い人の力が侮れないのです。

なぜ、悪い人がいるのか・・・?
なんでもそうですが、その行為が「おもしろい」からではないかと推測します。

なぜ、おもしろいのか・・・?
誰にでもできないことをする、他人の秘密?に触れる、人の不幸を喜ぶ、
といったことを快感にするのはある意味、人間の性かもしれません・・・。

では、どうしましょうか・・・?
個人レベルでできる防衛をすることが、一番大切です。


チャット、掲示板などは、相手の領域に入っているわけですら、言葉使いに気を付ける。
知らない相手だからといって、喧嘩をしない。など、実生活のルールと同じですね。
自分がどんな立場であれ、ネット上ではイコールなのですから、威張らない。
もっと言うなら腰を低く。ということが大切です。

買い物などでは、そのサイトの信頼性を確認する。
不必要な情報を公開しない。約束を守る。イタズラをしない。といったことが大切です。
特にカード決済をする場合はセキュリティの安全なサイトで行うことが基本です。
ブラウザの右下に「鍵マーク」があるか? 確認する癖をつけてください。

カード決済後に、不正に使われた等の問題が発生した場合は、
カードを使用停止にするのが一番手っ取り早いです。
警察やカード会社に被害届を出すのも大切ですが、調査に時間を要します。
不正使用が確実な場合、被害額が大きくなる前に対応してください。
(カードを使えなくする方法は、紛失届けを出せば電話一本で済みます。
ただし、カードの再発行の手数料はかかりますが・・・。こんなところに書いて良いのかな?)

自分のシステムへの不正侵入を防ぐには、攻撃目標にならないことが一番ですが、
相手次第な部分もあるのでパスワードを、2重3重にするとか不定期に変更するなど、防衛が大切です。

いずれにしても、何かあってから騒いでも、「時間と体力を消耗しただけ」になりかねないので、
そうならない努力を惜しまないようにしてください。
危険なサイトへ近づかないことも大切です。
中には、危険なスクリプトを含んだ悪意のサイトも存在するので、怪しげなサイトには注意してください。
また、「ActiveX」にも危険要素が含まれている可能性があることは、頭の片隅に留めて置いてください。
何かあった場合は迅速に対処しないと、足跡(アクセスログ)は定期的に更新されるので、時間が勝負になります。
メールボム3000発!! などといった報復を受けないよう気を付けてくださいね。(笑)

追伸:インターネット利用者の参考になれば幸いです。


最終更新日(2001/04/18)

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