パソコン健康相談室

 パソコンを使っていると、いろいろなトラブルに襲われます。 原因はさまざまですが対処方法を知ることでトラブル発生の確率を下げ、また、傷が小さいうちに修復できる可能性が高まります。
 人間と同じようにパソコンも健康状態をチェックしてあげる事が大切です。 怪我や病気を抱えたまま使っているパソコンの寿命はやはり短くなるでしょう。
 使い込んだパソコンにとって最も大切なモノは、蓄積したデータです。 ハードウェアはアプリケーションは交換や、再インストールすることで直すことができますが、 データの損失は、そのパソコンの実質的な死亡を意味します。
「最近動きがおかしい」
「Windowsが突然動かなくなった」
「起動しなくなくなってしまった」

さて、どうしましょうか?
  1. 寝る前にスキャンディスク
  2. 困ったときのセーフモード
  3. 持ってて良かった起動ディスク
  4. 忘れちゃいけないBIOSの初期化
  5. 神様お願い!レジストリの修復
  6. 取ってて良かったバックアップ
  7. 最終手段だ!Windowsの再インストール
  8. てめエラー・固まったフリーズ〜っとしてる気?
  9. 予防こそ最大の防御!!
  10. 補足事項

1.寝る前にスキャンディスク

  • 異変、違和感を感じたらすぐに「スキャンディスク」
  • フリーズの直後に「スキャンディスク」
  • ソフトのインストールの後に「スキャンディスク」
  • セーフモードで立ち上がった直後に「スキャンディスク」
  • そして、1日1回、寝る前(終了前)に「スキャンディスク」
 何かおかしい。ちょっと動きが変。固まった。など、少しでも異変を感じたら、 とにかく、まず、スキャンディスクをかける習慣を身につけましょう。
 Windowsの起動に関係するシステムファイルにエラーがある場合、 次回起動しなくなる可能性があります。
 スキャンするたびにエラーが出る場合は、メモリの故障やハードディスクの故障を考えた方が良いかも知れません。

2.困ったときのセーフモード

 Windowsが正常に起動できなかった場合、セーフモードで立ち上がることがあります。 セーフモードでは必要最低限のファイルを読み込んで起動するので、 使えないアプリケーションやデバイスがでてきます。
 この場合、第一にスキャンディスクを実行します。 それで問題が解決しない場合は、Win98の場合は「システム設定ユーティリティ」を使い、 起動時に問題のあるファイルや、デバイスを特定します。 Win95の場合はバッチファイルや設定ファイル等を「直接編集」して、 問題のファイルを見つけ、そのファイルやデバイスを再インストールすることでとりあえず解決できるます。
 しかし、問題はなぜそのような事態になったのか? と、言うことの方が重要で、 根本的な問題を解決しないと、同じ症状に悩まされることになるでしょう。
 セーフモードで起動すると、できることは限られますが、 起動すことができるうちに大切なファイルのバックアップをとるなど、 重要な作業を行うことが大切です。
 それはWindowsの再インストールが必要になる可能性があるからです。 強制的にセーフモードが起動させるには、Win95では「F8」キーを、 Win98では「Ctrl」キーを押しながら起動することで、セーフモード起動が選択できます。

3.持ってて良かった起動ディスク

 Windowsが、起動しない場合、DOSで起動しスキャンディスクを実行のに使います。 名前は聞いたことあっても、持ってない方が以外に多いですね。 トラブル発生時にはに不可欠なモノです。
 作り方は、
「スタート>設定>コントロールパネル>アプリケーションの追加と削除>起動ディスク>ディスクの作成」の順で作成できます。
 使い方は、フロッピードライブに起動ディスクをセット後、電源を入れます。 DOSで起動後、
「A:\>」のあとに「SCANDISK_C」(_=スペース)
と入力すれば、青い画面でスキャンディスクが実行されます。 エラーが修復され、Windowsが起動すればしめたものです。
 起動ディスクの他の役目は、「FDISK」の実行以外に、 重要な役目として、起動に必要な4つのファイル
「IO.SYS」 「MSDOS.SYS」 「COMMAND.COM」 「DRVSPACE.BIN」
をシステムにコピーできる事です。
「A:\>SYS_C:」(_=スペース)で、
上の4つのファイルをコピーしてくれます。
(Aドライブ=フロッピードライブ、Cドライブ=Windowsドライブの場合)
それでも起動しない場合は、残念ですが重傷です。専門家に相談した方が良いでしょう。

4.忘れちゃいけないBIOSの初期化

 経験上、BIOSの設定を初期化して、起動できなかったパソコンが治ったためしはないのですが、 メーカーのサポートセンターでは一応「この操作もしてみるように」と言われるので、簡単に説明します。
 メーカー製の場合、「F2」キーなどを押しながら起動すことでBIOS設定画面が表示されます。
(これについては、各PCの説明書を参照して下さい。)
その後、説明にしたがって進めれば初期化は完了します。
 DOS/Vの場合は、メモリ容量の確認直後に「Delete」キーを押せば、 BIOS設定画面が表示されるはずです。
 どこかに「Load Defaults Setting」などと書かれているのでそこを選択し、「SAVE&EXIT」を選択すればBIOSの設定は初期化されて再起動します。
(詳しくは、各マザーボードの説明書を参照して下さい。)

5.神様お願い!レジストリの修復

 いよいよ、神頼みのレジストリの修復を解説します。
この作業はある程度起動が進むものの、変な文字化けメッセージが出て、起動がストップしてしまう場合には有効ですが、 まったく起動動作に入っていかない症状では、ほとんど意味がないかもしれません。

Win95の場合、
1.「Windows95を起動しています」のメッセージが表示されている間に「F8」キーを押します。
2.「Command prompt only」を選択します。
3.cd_c:\Windows(_=スペース)と入力します。(WindowsがCドライブにインストールされている場合)
4.属性の変更をします。
  attrib_-h_-r_-s_system.dat
  attrib_-h_-r_-s_system.da0
  attrib_-h_-r_-s_user.dat
  attrib_-h_-r_-s_user.da0 (_=スペース)
と入力します。(それぞれの入力後に「Enter」キーを押します)
5.ファイルのコピーをします。
  copy_system.da0_system.dat
  copy_user.da0_user.dat
6.再起動する。

Win98の場合、
1.DOSで起動する
2.cd_c:\Windows\command(_=スペース)と入力します。(WindowsがCドライブにインストールされている場合)
3.scanreg.exe と入力します。
4.順序に従って、レジストリを修復します。
5.再起動する。

 Win95の場合、間違えて何もおこらないか、成功すれば起動できるかもしれません。
 Win98の場合、どのレジストリを修復するか気を付けて下さい。 古いモノから順に試すことをお薦めします。理由は起動できた場合、 古いレジストリから順に削除されていくので変なレジストリを修復してしまった場合、後戻りできないからです。
レジストリの修復に成功し、うまく起動しても、パソコンが不安定な場合は即刻バックアップ作業にかかり、 Windowsの再インストールの準備をした方が良いでしょう。

6.取ってて良かったバックアップ

 大切に育てたデータが無くなってしまったら・・・。 何の備えも無ければ、いつそうなっても、おかしくありません!!
「データのコピーを作る!」
この簡単で単純な作業こそ「バックアップ」なのです。
Windowsの再インストールの前には、必ず行ってください。 また、いつでも再インストールできるように、日頃からバックアップを取る習慣を身につけましょう。
 なにもWindowsのトラブルだけが恐いのではありません。ハードディスクといえども壊れる時はいとも簡単にウンともスンともいわなくなります。
データが消失した!! そんなときに役立つのが「バックアップ」です。
 (バックアップを取るデータストレージはできるだけ高速で大容量のモノが望ましいですね。)

 重要と思われる各データファイルの場所を順に説明します。
1.メールのアドレス帳
「C:\Windows\ApplicationData\Microsoft\AdressBook」の中の○○.wabです。
(ただし、OSやOutlookのバージョン、使用環境により異なります。)
2.メール本体
「c:\programfiles\outlookexpress\defaultuser\mail」や
「C:\WINDOWS\Application Data\Identities\{○-○-○-○-○}\Microsoft\Outlook Express」の中のファイルです。
(ただし、OSや使用環境、バージョンにより異なる場合があります。)
 対象ファイルはフォルダの中身全部です。検索の場合の拡張子は、
「*.idx」 「*.mbx」 「*.dbx」などです。
3.お気に入り&ブックマーク
「C:\Windows\Favorites」 「C:Netscape\Users」
(ただし、OSや使用環境、バージョンにより異なる場合があります。)
 対象ファイルはフォルダの中身全部です。検索の場合の拡張子は、
「*.URL」です。
4.辞書ファイル
MS−IMEは「C:\Windows」や「C:\Windows\IME」の中にある「○○.dic」です。
ATOKの場合は「C:\Windows\just\ATOK○○」の中の
「Atok○○u1.dic」〜「Atok○○u5.dic」までの5つです。
(ただし、OSや使用環境、バージョンにより異なる場合があります。)
 対象ファイルはフォルダの辞書ファイルです。検索の場合の拡張子は、
「*.DIC」です。
5.その他の文章ファイル・セーブデータ等
各プログラムのフォルダや、マイドキュメントの中などを、探せば見つかります。

いずれも見つからない場合は、「スタート>検索>ファイルやフォルダ」で、 「名前と場所」にワイルドカード(*.○○○)で拡張子を指定すればすぐに見つかります。
(「含まれる文字」は未入力のままで、対象ファイルがあるドライブやフォルダを選択してください。「サブフォルダも探す」にはチェックすること。)
 Outlook Express5.0以上の場合のアドレス帳・メール・設定ファイルなどは、エクスポートすることで、保存できます。

 ドライブやフォルダのの一括バックアップは、時間は掛かりますが、 1つずつファイルを探すより手間が省け、Windowsの再インストールの後に、 一気に元に戻すことができるので便利です。(1つずつ元に戻すこともできます。)
バックアップするアプリケーションはWindowsの標準ソフト(「スタート>プログラム>アクセサリ>システムツール>バックアップ」)でも、圧縮ツールや市販のバックアップソフトでもかまいません。 しかし、圧縮ファイルに変換してもサイズは半分程度にしかならないので、 保存サイズの70%以上の空きを確保してください。

 その他、インターネットの設定や接続の設定など忘れそうな事は、 あらかじめ書き写すことをお奨めします。 また、手間を惜しまずバックアップはできるだけこまめに取りましょう。
 そして、Windowsの動きに少しでも異変を感じたら、動いているうちに、 まずスキャンディスク、すぐにバックアップを開始することをお薦めします。 特に仕事でパソコンを使っている方は、データが全てなくなった時のことを想像してみて下さい。 失ったデータは、基本的には二度と元には戻りません。ハードディスクのクラスタを読み直す方法もありますが、非常に高価で、また完全な復活も保証できません。 いざというときのために、「取ってて良かったバックアップ」をお忘れなく。

7.最終手段だ!Windowsの再インストール

 バックアップの有無に関わらず、起動しなくなったらWindowsの再インストールしかありません。 また、不安定なWindowsを騙しながら使うにも限界があります。
 ここではWindowsの再インストールの方法を3つ紹介します。

1.クリーンインストール
フォーマットして新しく入れ直します。インストール後は快適そのものです。
2.上書きインストール
Windowsを上書きします。成功すれば何事も無かったかのように使えますが、 不安定な場合が多く、結局クリーンインストールするはめになるかもしれません。
(ハードディスク、パーティション、ドライブ、ファイル構造等に問題が無い場合。)
3.クローンインストール
WindowsをCドライブ以外や、Windowsフォルダ以外にインストールします。 バックアップを取っていない時に有効です。失敗する場合もありますが、 成功したらすぐに必要なファイルをバックアップしましょう。 一時しのぎですから、結局はWindowsの再インストールをすることになるかもしれません。
(ハードディスク、パーティション、ドライブ、ファイル構造等に問題が無い場合。)

 WindowsのインストールはLINUXなどに比べ格段に簡単です。 特にメーカー製のパソコンはリカバリーCDがついている場合が大半で、 CDを入れるだけで、ほとんどの作業を自動的にやってくれます。
 いざという時は、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

8.てめエラー・固まったフリーズ〜っとしてる気?

 昨日まであんなに調子よかったパソコンが・・・。
エラー大魔王! 魔人フリーズ!!
彼らは、突然やってきます。そして人間様をストレスと困惑の世界へ誘うのです。

「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます。」
って、おいおい^^; 
「このプログラムからの応答がありません。ビジー状態か、入力待ちか、または停止しています。」
って、またコケたの??
「・・・、真っ青画面!!」
って、こっちが青くなるわい! (データが・・・)

 これらの症状に出会ってない方、あなたはWindowsユーザじゃないですね?? 原因の特定はなかなか難しいのですが、原因を突きとめる努力は必要です。 エラーメッセージをよく読んでも、何のことかわからないことがほとんどですが、一応書き留めて損はないでしょう。 同じメッセージばかりでるのか、特定の作業中やプログラムの実行中によく起こるのか 状況を把握しましょう。 ある程度の知識を身に付ければ、原因が何か推測や特定が出来るようになり、 解決方法も見つかるでしょう。

考えられる主な原因と対処方法
1.プログラムの「バグ」によるもの
 メーカーのHP等から、修正プログラム等をインストールする。
2.メモリ不足
 画像や映像を多く処理したり、プログラムをいくつも同時に使用した場合に、 フリーズする場合が多いようです。
インターネットでも、アニメーション・サウンドなどにかなりのメモリを消費するので、メモリの少ない場合は追加した方がよいでしょう。 最低で64MB、できれば128MBは欲しいところです。
3.メモリ不良
 一般保護違反などはメモリのが原因の場合が多いようです。 メモリが不良でないか、メーカーの指定品以外を使っていないか等、チェックしたほうがよいでしょう。
4.メインドライブの空き容量の不足
 最低でも500MB、快適にするなら1GBの空きを常に保ちたいところです。 ハードディスクを増設して、ファイルの引っ越しをお奨めします。 メインドライブを圧縮して無理矢理空き容量を増やすことは感心できません。
(もっとも、最近のパソコンはHDDの価格低下により、不必要な容量を装備するくらいですが。)
 FAT16の環境なら、FAT32への変更も有効です。
5.「常駐プログラム」によるもの
 常駐プログラムを1度はずしてみましょう。解決するかもしれません。
6.「スクリーンセイバー」によるもの
 種類にもよりますが、以外に多くのメモリを必要とします。 カッコイイからとあまり凝ったモノを使用するのも関心しません。
 あくまでも画面の焼け付き保護のためのものと割り切った方が良いでしょう。 液晶ディスプレイの場合は、基本的に焼け付かないので、必要ないでしょう。
7.「デバイスドライバ」によるもの
 デバイスマネージャを確認してみましょう。
もし「×」や「!」のついた個所があった場合はケーブル等接続の確認、 ドライバの再インストール、不要なデバイスなら削除する等の処置を行います。
8.「周辺機器の接続」によるもの
 電源の入ってない周辺機器を接続したままで使用すると、動きがおかしくなる場合があります。
9.「ソフトウェアのインストール」によるもの
 ドライバや、DLLファイルなどのバージョンアップにより、今まで使えたモノが突然、動かなくなることがあります。 また、インストールの失敗も考えられますので、一旦削除した後に、再インストールをします。
 それでもおかしい場合は、レジストリ情報も削除し、再度インストールしてみましょう。
 雑誌の付録やフリーのソフトにも注意しましょう。 完成度に問題がある場合もあるし、設定などレジストリ情報が変更されたことによる原因が考えられます。
 その雑誌にも書いてあると思いますが、 「インストールはご自分の責任で行って下さい」ということです。
10.「レジストリ」によるもの
 不要になったソフトをアンインストールした場合に、 レジストリに情報が残ったままになることは、めずらしくありません。 レジストリのクリーンアップする事を、お奨めします。
 Windows98のツールで「レジストリチェッカー(scanregw.exe)」 を使ってチェックするか、市販のユーティリティを使っても良いです。
11.「プログラム・ファイルの損傷・消失・欠落」によるもの
 Windowsがなんらかのエラーを起こした場合、ファイルやプログラムが傷ついたり、消失する事もあります。 スキャンディスクで修復できない事もあり、最悪の場合Windowsが再起動できなくなります。
 メインドライブのバックアップがあれば、ファイル名やサイズ等から、 正常か判断・比較し、上書コピーで元に戻します。
 Win98の場合はシステムファイルチェッカーで修復できます。

 「不正処理」の場合は書き込んではいけないメモリ領域にデータを書き込んでしまった場合におこることが多いし、 「ビジー状態」の場合は、Windowsがパニック状態に陥っている場合によくなるようだ。
いずれも、使っている人のせいではない場合が多いのである。

9.予防こそ最大の防御!!

Windowsを怪我や病気から守るための策についてだが、
1.スキャンディスク・デフラグの実行
 こまめに行いましょう。特にインストール・アンインストールの直後が効果的です。
2.ウィルスのチェック
 インターネット以外にも、ディスクの貸し借りなどでも感染します。
定期的に行うよう習慣を身に付けましょう。
3.ファイルの操作には気を付ける
ファイルの移動・削除は正しい知識を身に付けてから、 「絶対」と確信の持てるファイルを移動・削除しましょう。
また、新しいソフトウェアの選択は、機能性よりも信頼性を重視して選択する方が安全です。
4.複数のアプリケーションの同時起動
 メモリが不足している状態では避けるべきです。 また、相性もあるようなので、注意しましょう。
一定時間ごとに、再起動することでメモリを復活させることができます。
(メモリ管理ツールを使っても同様の効果を得ることができます。)

10.補足事項

 バックアップを取っていない状況でWindowsの再インストールをしなければならない時、 どうしてもデータを無くしたくない場合は、ハードディスクを取り外し、他のコンピュータでクラスタを読んでもらうしかありません。
 この場合、専門家に相談する事になりますが、かなり高額な値段を付けられても、仕方ありません。
お金を取るか、データをとるか・・・。
そういう事にならない為にも、バックアップの重要性を再認識してください。
また、当社でもハードディスクの読み取り作業をサーポートしていますが 状況により異なりますので相談して下さい。

ハードもソフトも、
「しょせん人間が作ったモノ」と割り切って考えた方が良いでしょう。
エラーや不具合があって当然。いつか壊れるモノと認識し、 「そんな事ではへこたれない」という気持ちで取り組んで下さい。
優しい気持ちで、 「できるだけ健康な状態で使ってやろう」ぐらいの心構えが良いかと思います。

最終更新日(2001/04/17)

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