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 2000年9月22日午後4時。マイクロソフトからWindows 98 Second Editionの後継、 「Windows Millennium Edition」(通称Windows Me)が先行発売された。 
 1986年にWindows1.0が登場してから14年。脈々と受け継がれた16bit OSであり、 Windows 9x系の最終バージョン、かつ、20世紀最後を飾るWindowsである。
  
 ここでは、Windows Meのインストールから、新機能、メリット・デメリット、 今度のWindowsの展開についてレポートしてみます。
 
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1.Windows Meの種類
 
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Windows Millenium Edition 通常版 | 
 
| ¥24,800 | 
 
| 通常の商品で誰でも使うことが出来る。 | 
 
 
 
 
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Windows Millenium Edition 期間限定特別パッケージ | 
 
| ¥6,400 | 
 
2000年12月31日出荷分までの商品で、かつ、 Windows98/98SEからのアップグレード専用商品。 | 
 
 
 
 
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Windows Millenium Edition アップグレード版 | 
 
| ¥12,800 | 
 
| 既存のWindowsからのアップグレード専用商品。 | 
 
 
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必要なシステムは、 
PC/AT互換機、 
Pentium150MHz以上(ムービーメーカーを使用する場合は300MHz以上)、 
メモリ32MB以上(ムービーメーカーを使用する場合は64MHz以上、 
HDD300〜600MB以上の空き容量(インストール方法により、異なります)、 
VGA以上のディスプレイ。
  
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2.Windows Meのインストール
・使用PC:DOS/V(MB/BE6−U、CPU/PenV650、メモリ/256MB、HDD/13GB、 その他)
  
(1)Windows98からのアップグレード・インストール
- Windowsを起動
 - Cドライブを丸ごとバックアップ
 - CD−ROMを挿入
 - バージョンをアップグレードしますか?>はい
 - その他のアプリケーションを使用していないか、チェック
 - アップグレードのチェック>次ぎへ
 - 「同意する」にチェック
 - プロダクトキーの入力
 - 現在のシステムファイルを保存しますか?>はい>ドライブの選択
 - 起動ディスクの作成(98ではFD2枚必要だったのが、1枚になった)
 - ファイルのコピー開始
 - 再起動
 - Windowsの最終設定(ドライバ、プラグアンドプレイ等)
 - 再起動
 - Windows Me にログイン
 - セットアップの完了
  
 開始から30分。ざっとこんな感じで、ほとんど何もする事が無く、セットアップは完了した。 途中、最終設定でエラーが出たため、即強制再起動したところ、最終設定を最初から勝手にやり直してくれて、2度目は無事終了。という、ハプニングもあったが、いたって簡単に、アップグレードは出来た。
  
(2)クリーン・インストール
- DOSで起動
 - パーティションの作成>再起動
 - フォーマット
 - CD−ROMを挿入
 - SETUP.EXEを実行
 - スキャンディスクの開始
 - システムのチェック
 - Windowsのグレードチェック>98のCD−ROMを挿入
 - 「同意する」にチェック
 - プロダクトキーの入力
 - セットアップ方法の選択
 - 起動ディスクの作成(98ではFD2枚必要だったのが、1枚になった)
 - ファイルのコピー開始
 - 再起動
 - Windowsの最終設定(ドライバ、プラグアンドプレイ等)
 - 再起動
 - Windows Me にログイン
 - セットアップの完了
  
 と、こちらもほどんど見ているだけで、30分程度で完了。
  
(3)インストール後のチェック
  
 アップ・グレード、クリーン・インストールともに、正常に動作確認ができた。 
各デバイスについては、グラフィックカード、サウンドカード、SCSIカード、SCSI機器(DVD、 CD−RW、HDD、カードリーダー、スキャナー)、プリンタ等、全て正常だった。 
 各アプリケーションについても、正常に動作した。このあたりは、Windows2000と違い、さすが、 16・32bit混合OS!! 使いやすさも、初心者からOK! なOSである。 
 しかし、一部でパーティションを操作するソフトを含め、DOSモードを使用するアプリケーションでは、問題が発生するとの報告があるため、手放しには喜べない。いつものことだが、アップグレード時には各ソフトメーカーの対応状況を確認する必要がある。
 
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3.Windows Meの主な新機能
 
| 操作をやさしく!! |  
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ユーザーインターフェイスの改良
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操作性、基本アイコンをWindows 2000的にし、目的のプログラムやデータに素早くアクセスできるようになった。さらに、My Picturesフォルダでは、画像のサムネイル表示、拡大、縮小、印刷などができる。
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システムの復元機能
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システム等のバックアップを作り、必要に応じて保存時の状態に戻すことが出来る。自動設定も可能で、万が一のトラブルに対処できる。
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システムファイルの保護機能
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操作ミス、アプリケーションのインストールなどによって、システムファイルが削除、置換された場合に、自動的にシステムファイルを復旧できる。
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ヘルプセンター
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インターフェイスの改良により、以前より対話的な解決が出来るようになった。また、ローカル、インターネットの区別なく、あらゆるドキュメント、サポート情報に透過的にアクセスできる。
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| デジタルメディアを簡単に!! |  
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Windowsムービーメーカー
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DVからの映像の取り込み、編集が可能。作成したファイルをメールで送信したり、インターネットで公開したりすることが、簡単にできる。
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WIA (Windows Imaging Acquisition)
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デジタル映像機器などのイメージング機器との接続性が向上し、機器を接続するだけで、簡単に画像のプレビュー、取り込みなどができる。
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Windows Media Player 7
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CDやビデオを再生したり、CDから音楽を圧縮して取り込んだり(WMA方式)することができる。
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| インターネットを快適に!! |  
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Internet Explorer 5.5
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MSIEの最新版で、最新のダイナミックHTML、印刷プレビュー、128bit暗号化機能などを追加している。バグ修正版のOutlook Express 5.5も搭載。
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ホームネットワークウィザード
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インターネットの共有接続や、ファイル・プリンタの共有など、基礎的なネットワークの設定が簡単にできる。
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 95から98への変身に比べると、Me独自の新機能としては乏しく感じる。MSIE5.5などは、雑誌の付録CD−ROMやWebサイトから簡単に入手できるし、インターフェイスは、2000と同様のモノを使っているので、「98と2000の中間OS」的存在、といった感じがする。また、OSの内部構造的にも、98から大きな変化が無い点からも、「Windows98 Third Edition」と呼ばれても仕方がないのではないか? 
 次項では、その新機能の能力について、検証してみます。 
 
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4.Windows Meのシステムの保護機能について
 
Meの3本柱の第1本目! は、システムの保護機能についてだ。
 カレンダー方式の「復元ポイント」によって、システムの復元ができるという優れもの!?だ。当然、復元ポイントが無ければ使えない機能だが、次の3つの方法で設定できる。
  
1.定期的に自動的に作成される。 
2.特定のプログラムをインストールする時に、自動的に作成される。 
3.ユーザーが任意の日時を設定し、作成する。
  
 復元ポイントが設定できていれば、パソコンが不調になっても、その時点までシステムを戻す事が出来るのだが、すべては復元ポイントの設定をいかに行うか? ということになり、最終的に快適な環境をどのレベルで保護できるかは、ユーザー次第という事になる。 
 具体的には、インストールファイルの記憶と、レジストリの保存、システムファイルのバックアップを自動的に行い、必要に応じて元に戻してくれるのだ。操作方法は、ウィザードに従って操作すれば簡単だが、「いつ・何を・どうした」という記録を付けておかなければ、「復元ポイントは、たくさんあるのだが、どこに戻して良いのか・・・??」という状況になってしまうだろう。
  
 私的な使用環境から言えば、半年以上前にすでにこの機能は、有名なユーティリティシリーズにより手に入れているので、まったく必要ないのだが・・・。
 
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5.Windows Meのデジタルマルチメディア機能について
 
第2本目! は、デジタルメディア機能についてだ。
 Meの目玉機能であるこの機能は、Meがホビー専用OSとしての象徴である。従来のWindows 95/98/2000にも多少の機能はあるが、Meのマルチメディア機能は群を抜いている。
  
1.WIA機能により、デジタルデバイスを統合し、画像データの取り扱いをほぼ同一操作で行えるようになった。わかりやすく言えば、デジタルムービー映像と、スキャナで読み込んだ画像が、同じ標準装備のアプリケーションで操作できるので、初心者にも扱いやすい!! というわけだ。(当然、市販のアプリケーションの方が機能が豊富であることは、言うまでもないのだが・・・。) 
 これによって、ユーザーが各デバイスのデータごとに異なる操作を覚える必要が無くなったのだが、問題はMeが装備している、デバイスのドライバが多くないということだ。したがって、誰もがこの機能をすぐに使えるとは言えない。いずれは、パッチをあてて使うことが出来るようになるデバイスがほとんどだろうが、初心者がその作業を行うことを想像すると・・・。毎度の事ながら、矛盾を感じてしまうのである。(^^) 
 (確かに、「古いモノをいつまでも大事に使うな!!」という考え方は、どこのメーカーにでもあるのだが、他の業種に比べると、特に厳しい世界だなぁ・・・。)
  
2.マルチメディア専用フォルダ(マイドキュメント>「My Pictures」・「My Videos」)が、新たに用意された。従来のフォルダと違い、縮小画面はもちろん、スライドショーから、編集機能まであるという優れモノ!? である。 
しかし、メールに添付するのに必要な作業レベルで、これも専用編集ソフトの機能とは比べてはいけないレベルである。(^^) 
 また、メディアプレーヤー7では、今まで以上に様々なファイルを再生する事が出来る。
  
3.ムービーメーカーが標準装備となり、IEEE1394およびDV方式カメラの接続をサポートし、それらを編集することができる。ただし、この場合のPCの使用環境は、「PentiumU400Mhz以上・メモリ64MB以上・ハードディスクの空き2GB以上」と、もはや2・3年前のパソコンでは、ちょっと厳しいのである。 
 編集機能は上級レベルまで使えそうだが、テレビ鑑賞用としては使用できず、メール用や、Web用といった、パソコンでの使用レベルに限定される。それ以外は、やはり市販のソフトを使うことになる。
 
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6.Windows Meのホームネットワーク機能について
 
第3本目! は、ホームネットワーク機能についてだ。
 パソコンを2台以上接続する環境をネットワークと呼ぶが、ネットワークの構築は初心者には、かなり難しい。そこで登場するのが「ホームネットワークウィザード」である。 
 ネットワークの主な利点は、ファイル・プリンタ・インターネット接続の共有だ。95/98でも可能であるが、専門知識が必要であった。特に、インターネット接続の共有となれば、挑戦したが挫折したユーザーも少なくないはず・・・。 
 このウィザードに従って、設定を進めていけば比較的楽? に、設定が出来てしまう。接続環境は、モデム・TA・LAN等が選択できる。
  
 では、問題点は・・・? 
1.クライアント側からインターネットに接続した場合に、ホスト側の接続は自動なのだが、切断が自動ではないので、ブラウザの設定で自動切断の設定を短くする必要があるかもしれない。 
2.マイドキュメントの共有をする場合で、共有相手が家族などの場合、すべてのファイルを見られてしまうので、注意が必要になる。
  
 プリンターの共有は、ありがたい限りであるが、ファイル・インターネット接続の共有については、問題がある。企業であればネットワークの管理者は、資質に加えその人間性をも問われる立場で仕事をしなければならない。ウィザードを使うことによって、ネットワーク環境は簡単に実現できるかもしれないが、中身もわからずにそれを行うことに、多少の危険や疑問を感じる。また、すんなりと使えればよいのだが、ネットワークに障害が出た場合、お手上げになるのは目に見えている。現在、安易にWebサーバをたてて、踏み台にされる問題が起きているのになぁ・・・(^^;
 
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7.Windowsは今後どこへ行く?
 
今までのWindowsと、これからのWindowsについて、考えてみると・・・
 マイクロソフトはビジネスユーザー用にNT、一般ユーザー向けにWindows 95/98と展開してきたのだが、98から、ハイレベル用にNTの後継ともされる2000を提供した。Meに関しては、98の後継というよりも、これからWindowsを始めるユーザー向けのOSという感じがする。 
 マイクロソフトにとって、お荷物の16bitOSは、2000年2月に発売されたWindows2000で、NT系と完全に統合されるはずであったが、2000の発売直前になって変更されたようだ。そして、次回に発売される新Windowsでの統合を目指しているらしい。つまり、「2000は難しい!!」ということであったのだろう。 
 Meがデジタルメディアの編集機能を標準装備したところには、Macを意識したような気もするのだが、Meの使用環境は古いパソコンには、さらに厳しいものとなった。もっと機能を限定し、旧タイプのPCでも安定して動作するLinuxのようなOSも作って欲しいのだが・・・。
  
 95/98は、ビジネスとホビーの両方をターゲットにしていた。ビジネス専用のNTでは、USBなどの新デバイスをサポートしきれていない状況で、2000を登場させた。これによって、Meは完全にホビー用にターゲットを絞ることができる。 
 Meは今まで述べたように、マルチメディアでの新機能を搭載したのだが、OSの基本構造はたいして変化しておらず、基礎設計は古いと言わざるを得ない。マルチメディアは大量のデータを扱うので、この基礎設計の古さは実は、機能とのバランスが取れていないのだ。 
 そう言った理由もあって、次期Windowsには、かなり力を入れてくるだろうし、是非、誰もが使いやすいOSを作って欲しいものだ。
  
 最後に、現Windowsユーザーが、Meへの変換の必要性があるのか? といえば、その必要性はあまり感じない。もしアップグレードするのなら、2000への挑戦を行い、移行した方が今後の為になるだろう。
 
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