特集第9弾!! データ・ストレージの歴史!
(2001/08/24作成)
  1. 概要
  2. 記録方式の主な分類
  3. 登場年表
  4. メモリカード
  5. 最後に

1.概要
 あなたは身のまわりにある「記録メディア」を幾つあげることができますか?
ハードディスクやMOなどの記録メディアをパソコンの世界ではデータストレージと呼びます。
広くは、カセットテープやCD・MDのメディアもそうですし、
古くは、石板も古代人が記録を残すために利用したストレージと言えるかも知れません。

 ここでは、記録メディア=データストレージとパソコンとの関係・歴史を年表を用いて紐解いてみたいと思います。


2.記録方式の主な分類
直接方式 石板や紙などの記録媒体に直接刻んだり、書き込むことによって記録する。
振動方式 音による空気の振動を針先に伝え、記録媒体に溝を刻む事により記録する。
(レコード盤等)
磁気方式 電気信号に変えたデータを、磁性体を塗ったテープや円盤状の回転式記録メディア上に、磁化の強弱によって記録させる。(フロッピーディスク等)
光学方式 レーザー光を回転式記録メディアの表面にある金属の膜にあてることにより、小さな凹凸を作りだし記録する。(CD−ROM等)
※MOは磁気と光学の両方を利用している


3.登場年表
登場年代 商品名 備考
1877年 蝋管蓄音機 いわゆる「ちくおんき」の音を保存する部分というモノです。
1909年 SP盤レコード 78回転のレコード盤。1963年に製造中止された。
1941年 パンチカード コンピュータで使用。一定の規則で穴を開け文字や数字を記録した。
1950年 オープンリール 最大60分の記録再生が可能。倉庫のどこかに今もあるはず・・・。
1951年 LP盤レコード 33回転のレコード盤。いわゆる「アルバム盤」です。
1954年 EP盤レコード 45回転のレコード盤。いわゆる「シングル盤」です。
1957年 ハードディスク 以外に古い歴史なんですね。最近は本当に安くなりました。
1963年 ディスクパック IBMが開発した取替可能ディスク。14インチで3MB。
1966年 カセットテープ MDが登場するまでの音楽録音メディアの主役。
1969年 ビデオカセット 1975年にソニーのβが世界初。VHSは1976年発売。
1972年 フロッピーディスク 消滅するのも時間の問題かも・・・。
1981年 レーザーディスク 記録はアナログ、読込はレーザー光という変わり者?
1982年 CD CDの登場によってレコード盤は一気に衰退してしまった・・・。
1988年 CD−ROM 光学式メディアの代表。登場年度は以外に古い。
1988年 CD−R データを一度だけ書き込む事が出来る。低コストが魅力。
1988年 MO 大容量かつ書込速度が速い。使い勝手は文句無しか!?
1990年 MD 光磁気方式のメディア。ソニーが開発した。
1995年 SuperDisk 120MBのフロッピーディスク。コストパフォーマンスは×。
1995年 Zip ドライブが他よりも安いので、一時期は人気があったが今は・・・。
1996年 DVD−ROM CD−ROMに変わる?光学式大容量メディア。
1996年 DVDビデオ レンタルビデオショップもレンタルDVDショップに改名?
1997年 DVD−R データを一度だけ書き込む事が出来る。あまり見かけないが・・・。
1997年 CD−RW データ書き換え可能。書込速度が遅いので使い勝手は今一か?
1998年 HiFD 200MBの容量。フロッピーディスクと同様に使用する。
1998年 DVD−RAM 書込可能なDVDメディア。RAMドライブはまだまだ高価である。
1999年 DVD−RW データ書き換え自由な大容量メディア。書込速度が問題・・・。
1999年 PocketZip PCカードサイズの40MBディスク。店で見たことないぞ?


4.メモリカード
 デジカメやデジタルビデオに使われているメモリカードも記録メディアである。その種類は、スマートメディア・コンパクトフラッシュ等多様で今後規格が統一されるという噂もある。
 メモリそのものは古くから存在したが、現在のように記録メディア的使用が可能になったのは、形状が進化し低価格となったからである。かつてのメモリはRAM(書込可能メモリ)やROM(リードオンリーメモリ)として、コンピュータの内部に部品としてのみ存在した。現在のパソコン内部にもメモリはあるが、やはり一時的に記録するための部品としての使われ方が主である。
 メモリの最大の利点は、電子信号によって記録されるので、書込・読込速度が他メディアとは段違いに速いことであろう。今後も大容量化・低価格化が進み、次世代の主流記録メディアになるであろうメモリは、各メーカーの競争も激しい。
 私個人もスマートメディアを多様している。わざわざデスクトップにカードリーダーを内蔵してでも、一度使うと手放せない。用途としては、修正が頻繁に行われるファイルや、作成段階のデータを保存する場合で、大きなサイズのファイルの読み書きに対してまったくストレス無く行ってしまう。
 32MBのメモリカードでも結構使えるのだ。しかし、コストパフォーマンスは他メディアよりも悪いが・・・。

5.最後に
 時代と共に進化し、大容量化する記録メディアであるが問題もある。それは、耐久年数である。大切なデータは永久に保存したいのだが、使用方法・保存方法を誤ったりすると、大量のデータが一瞬で消滅してしまう危険がある。
 最近のHDDは80GBを越える大容量も登場し価格もリーズナブルだか、HDDが故障すれば、80GBだろうが、1TBだろうが一瞬にして消えてしまうというのだから恐ろしい・・・。
 たとえば、石版の場合、耐久年数は数千年と言われている。紙の場合で数百年。ところが、デジタルに記録されたメディアは長くて数十年、早いと数年であるという。CDなどは理論的には半永久的にデータの保存ができるのだか、ケースに入れ、立てて保存しないと10年もたないと言われている。厳重に保管したCDでも10年ごとに書き換えた方が良いとさえ言われている。
 個人的にHDDに関しては、「壊れる前に変えろ!!」を推奨します。特に企業さんの場合、万が一を考えたらHDDは毎年新品に交換しても安いかもしれません。無くしたデータはお金では買えませんから・・・。(全てのデータをサーバで管理し、ミラーリングできるのであれば、それに越した事はないのだが・・・。)
 なんでもかんでもデジタルで、大容量メディアに保存する事が大変危険であると認識する必要があるでしょう。歴史的財産なども最近はデジタルで保管されているそうだが、災害・盗難等から守るために、コピー・分散化を行っているようだ。
 会社や個人のデータも万が一を考えると、同様にコピー・分散化(多重バックアップ)が必要であろう。分散化し定期的に新しいメディアに保存し直せば、半永久的にデータを守ることが出来るはずである。特に命よりも大切なデータは絶対に分散化すべきでしょう。災害の場合、いくら保険をかけていてもデータだけはどうにもならないからです。(後はサーバをかついで逃げるしか方法はないかも・・・。)

皆様のデータが消失しない事を心からお祈り申し上げます。
(やっぱり最後はバックアップの話になってしまった・・・^^;)

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