ハッカーとは

Old-Contentsからの色あせしない知識、第1弾(2001/04/08)

ハッカーとは・・・?


 最近のマスコミでは、セキュリティを破ってサーバーや端末に侵入する行為をとらえて「ハック」と呼ぶために、ハッカーという言葉はとにかく悪い印象を与えがちです。しかし本来、ハッカーとは熟練プログラマーやエンジニアを指す言葉であり、そこにはまったく悪意は込められておらず、むしろ尊敬の意を表する言葉でした。


 ハック・ハッカーという言葉が生まれたのは、コンピューター夜明け時代のマサチューセッツ工科大学であるといわれています。英語のHackには、「ジャングルを切り開いて突き進む」という意味があります。すなわち、ハックとは独力で道を切り開いていくことを意味し、一流のアートやエンジニアリングに対する深い探求心を意味しているのです。


 このハックという言葉は、いまでもマサチューセッツ工科大学の伝統となっており、過去の素晴らしいハッカー達の功績と栄誉が讃えられています。マサチューセッツ工科大学ではこれをギャラリーにしており、http://hacks.mit.edu/からアクセスすることが出来ます。


 この正統的なハックに対して、コンピュータに侵入するなどの行為を行う人間のことをクラッカー(cracker)と呼んでいます。またその行為の内容によって、クラッカー(kracker)、イントルーダー、フリーカーなどとさらに細かく区別されることもあります。これらの言葉はマスコミに登場する機会も少なく、アンダーグラウンドな世界でのみ通用するスラングとなっています。


 冒頭で触れたように、最近ではマスコミなどの影響によって、ハッカー=クラッカーというイメージが浸透しつつあります。しかも、これは日本だけの話ではなく、欧米などでもその傾向は高まってきており、これらの区別は非常にあいまいになってきています。しかしUNIXの世界に関していえば、ハッカーは依然として優れたスキルをもった人間に対する尊敬を意味する言葉として通用していますので、勘違いをして恥をかかないようにしてください。


 ちなみにハッカーにもランクがあり、伝統的なハッカーになるとwizard(魔術師/天才的な人間の敬称)などと呼ばれるようになります。また、LinuxやUNIXの等の開発者の中には、demigod(半神/神に近い存在)と呼ばれる人もいます。

2025年07月13日